変化請負人

 理学療法士は、「変化請負人」と言われます。これはどういうことなのでしょうか。運動器が原因で生じる痛みは、関節や筋肉、靱帯、筋膜、脂肪体など様々な組織に力学的ストレスが生じ、それに生体が耐容出来なくなったときに生じます。構造的破綻が徐々に進行している状態です。その反応は、関節可動域の制限や筋出力の低下、運動の制限など様々です。関節適合性が低下して時には、骨棘が形成されることで、関節適合性を向上させる反応を示します。筋出力が低下しても、関節の動きを制御しなければならないときは、靱帯が肥厚して関節を制御しようとします。これらは、我々自身が自分の体を守ろうとする生体防御反応です。逆に、生体にストレスが加わらない状態が続くと、筋肉が萎縮したり骨が萎縮したりします。 宇宙飛行士は、無重力環境下で活動した後、地球に帰還したときに、まともに立ったり歩くことは困難です。宇宙で、地球に帰還したときに重力環境下で対応できるための身体機能を維持するためにトレーニングをします。つまり、正しく動くことで生体は重力環境下で活動できる身体機能を作っているのです。

 「変化請負人」の理学療法士が、そのくらいいるかわかりませんが、まだまだ十分ではありません。理学療法士には、「結果に対する責任」があることを自覚しなければなりません。私自身、常にこのことを心に留めながら活動していきたいと思います。

 こうしたことは、姿勢や動作に問題が生じたときに発生します。関節の適合性が低下したり、重力環境下で対応できる柔軟性や筋力に問題が生じることが、痛みの大きな要因です。関節や筋肉などどこの部分に問題が生じているかをはっきりさせることが重要ですが、逆にそこをしっかり評価し、動きを適正化することで局所に生じている力学的ストレスを軽減することが出来、痛みを軽減することが出来ます。歩き方や動きは、治療前と全く変わることは、珍しいことではありません。こうした対応で痛みは軽減するのですが、評価~治療を適切に出来ると、その精度が向上していきます。患者様は、「さっきと全然違う!」「痛くない!」など感嘆の声を上げるのです。もちろん、すべての痛みに対応できるわけではありません。痛みには心理的要因や内臓が関連しているもの、関節や筋肉の構造的破綻により生じるもの、心臓や脳血管疾患によるものなど様々で、最初に命に関わるような要因(レッドフラッグといいます)を可能な限り排除することが必要なのです。運動器の痛みかどうかの鑑別が重要ということです。それらの判断を適切に行い、医師と連携していくことも理学療法士には求められます。

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