動きを見るということ

 先日、Yahooニュースに「練習時間1日50分。進学校の 152キロ右腕が広島の歴史を塗り替える」というニュースが掲載されました。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190704-00864460-sportiva-base&p=1 素質のある選手の動きを見た指導者が、「このままだとケガをする」と思い、目標をしっかりと立てて選手の基本的な動きを改善していくことに主眼を置き、地道に選手を育てた結果、150キロを超える速球を投げられるようになったという記事でした。この指導者の考え方は、選手を大切に、効果的に育てていくという観点から、とても素晴らしい育て方だと思います。

 選手の強化というと、「体幹を鍛えるのにはこんなトレーニングが良い」とか、「本に載っていたこのトレーニングが良い」とか、情報に左右されやすいと思いますが、実際には選手個々の特性に応じた対応が必要であることは言うまでもありません。私は毎年国体に、県選手団の本部帯同トレーナーとして活動していますが、国体選手でも基本的な動きに問題があることが多くあります。私が現場ですることは、その競技に必要な基本的な動きが、効率よくできているかという視点で動きを観察することです。基本的な動きがきちんと出来ていない選手は多いのですが、そのような選手の動きを効率よく出来るように変化させると、それだけでパフォーマンスは向上します。ウェイトをしっかり持ち上げられなかった選手が持ち上げられるようになったり、ボールを投げる動作がスムーズになり伸びのあるストレートを投げられるようになったり、走るフォームが変わったりすることは、よくあることです。選手は一生懸命にパフォーマンスを上げるために練習していますが、練習で培った技術を十分に発揮させてあげることも、理学療法士やトレーナーの大切な仕事のひとつになると思います。

指導者と理学療法士やトレーナーが、選手にとって必要であり重要な存在である理由の一つがここにあると思います。痛みが出ていない選手でも、筋力を十分に発揮できていない選手はたくさんいます。そのような選手は、きちんとしたトレーニングを実施して、「動ける身体」を作っていくことが必要ではないかと思うのです。この記事にある指導者の方は、専門家が近くにいたかどうかはわかりませんが、このことを理解されて指導されていたようにも思います。間違ったトレーニングをすると、その選手の素質を潰してしまうこともあります。しかし、適切なトレーニングを行うと、少なくとも潰れることはありません。それどころか、選手の素質を伸ばし、開花することも出来ると思います。選手に寄り添う指導者と理学療法士やトレーナーの存在が、必要不可欠ではないかと思います。成長期の選手であれば、尚更のことだと思います。

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