予防理学療法の必要性

 2025年までには、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、介護・医療費などの社会保障費が急増するといわれています。いわゆる「2025年問題」です。また、2040年までは高齢者が増え続けるといわれており、社会保障費への対応は待ったなしの状態です。こうした問題に対応するため、国は財政的にも施策的にも様々な手段を講じて対応しようとしています。財政を安定させるためには、経済が安定しなければなりませんが、税金を納める国民の数が減少し、今後はいかに財政を安定させるかということも、ひとつの大きな問題となります。人口の多い地域や大企業がある地域では、もう少し先の問題なのかもしれませんが、地方にとっては、これらはすでに待ったなしの深刻な問題であると思います。

 その中で、先日、日本理学療法士協会副会長であり、参議院議員の小川克己先生が、「医療モデル」「生活期モデル」「社会モデル」として理学療法士の将来について語って頂きました。たくさんのことを強調されていたのですが、印象的だったのは、予防理学療法が今後重要であることを強調されていたことでした。「医療モデル」の中で理学療法士が理学療法を実施するためには、「医師の指示」が必須です。しかし「生活期モデル」の中では、介護予防においては、理学療法士の活動は必ずしも医師の指示が必要ではありません。平成25年11月27日に、厚生労働省医政局から「理学療法士の名称の使用等について」という通知があったのです。これにより、診療の補助に該当しない範囲の業務を行うとき(予防の分野)において、医師の支持は不要となりました。「社会モデル」の理学療法士は、これから市場化され、創業されていく必要があり、そのためには行政に働きかけ、立法化していかなければならないということでした。

 厚生労働省医政局の通知により、理学療法士が勝手に何でもやって良いということではありません。命に関わるような重要な問題や医療が必要と判断された場合は、速やかに医師の判断を仰ぐことは必要なことです。それを踏まえた上で、理学療法士は予防の分野に積極的に関わって欲しいというメッセージだということです。医療の知識を十分に備えている理学療法士だからこそ、地域の中で出来ることがあります。保健師や産業医が地域の中で予防に関わっているように、予防理学療法士の存在は、これからますます需要が増えていくことと思います。これから超高齢化社会、超少子化社会に向かうにつれて、学校保健や産業保健の分野でも、理学療法士の予防に対する活動がますます必要になってくることと思います。これまでの社会システムにとらわれない、将来を見据えた対応が必須な時代になってきているのではないでしょうか。

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