筋を機能させるということ

 「筋力を鍛える」とか「筋肉をつける」という言葉は、日常で比較的よく使うことなではないかと思います。腰や膝などが痛いとき、病院に行って命に関わるような大きな問題がない場合、医師の先生はよく「筋力をつけなさい」と指示されます。では、筋力をつけるとは、どういうことなのでしょうか。

 腰や膝、股関節などが痛いという人に、医師の先生方が「筋力をつけなさい」といわれる場合、ほとんどは「パワーをつける」ということではなく「筋肉を機能させる」ということを念頭に置かれています。パワーとは、瞬発的に発揮出来る筋力を指します。パワーは筋力✕速度の積で表されます。しかし、膝や腰が痛い人に必要なことは、パワーではなく、いかに筋を機能させるかがカギとなります。たとえば、ものを持ち上げる瞬間には、ものが有している質量を持ち上げるために必要な、身体剛性が求められます。つまり、ものの重さに負けないような、自分の身体をしっかり支えるための筋力が必要なわけです。人の身体は分節構造ですので、簡単に言うと積み木のようなものです。それが不安定な状態であれば、ものを持ち上げるために必要な、身体を支持するための筋力は発揮出来ません。積み木が安定し、さらに大きな質量に対応できるためにしっかり力を伝達する機能が必要なのです。人の身体で言うと、それが関節や筋ということになります。

 痛みを有している人にまず必要なことは、筋肉をしっかり機能させることです。筋が適切なタイミングで適切な量だけ働いてくれないと、時間的、空間的、量的に力が不足していると関節や筋自体にに障害をもたらします。これが、腰や肩、膝などの関節の痛みの大きな要因となります。筋肉が適切に機能することによって、人の運動はスムーズに成り立ちます。パワーは、筋肉がきちんと働いてこそ得られるものです。動きをチェックすることは、筋や関節、靱帯などの身体機能が適切に働いているかをチェックすることにもなります。「筋肉を鍛える」のではなく、「筋を機能させること」という認識で日々、トレーニングをされてはいかがでしょうか。

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