股関節が痛い方の理学療法

 今日は少し股関節痛の方について書きたいと思います。以前の職場で、30代の女性で左股関節痛の方が来院されました。産後から徐々に股関節痛が出始め、整形外科に行ったけどレントゲン上は問題なく、MRIでも何の異常がないと言われたとこのとでした。しかし、本人は体重をかける時に常に痛みがあり、歩行が困難なほどで、とても困っているとのことでした。私たち理学療法士が患者を見る場合、まず考慮しなければならいのは、レッドフラッグと呼ばれる、命に関わる重篤な疾患や状態が、症状の裏に隠れていないかどうかということです。そのような場合は当然、早急に医師に上申しなければいけません。この方の場合、レントゲンやMRIで異常はなかったという診断が下されているので、とりあえず大きな問題はなさそうだということになります。ただ、まったくレッドフラッグを排除するわけではありませんので、評価の進行と並行して、そのような兆候が確認された場合は、理学療法の適応ではなく、まずは医師の治療を受けなければならないということになります。

股関節の機能評価

 理学療法の指示が出ましたので、評価をしたところ、股関節の正常な関節運動が障害されていることがわかりました。そして、その要因は骨盤と背骨を結ぶ関節の動きや、関節の位置に問題があり、最終的に股関節に痛みが出ているという判断になりました。関節軟骨の辺縁部やその周囲の靱帯、筋の痛みが想定されました。数回の理学療法で、日常生活における痛みはほとんど消失し、歩行はまったく問題がなくなりました。ご本人は痛みが取れてきたことに、不思議そうな表情も見られましたが、とにかく痛みが取れてホッとされているようでした。

機能障害に対する治療

 この方は産後の方でしたが、股関節が不安定となり、結果的に股関節の関節運動に障害を呈して痛みが出てくるケースはたくさんあります。スポーツ選手でもそうですし、症状が進行すると股関節の関節唇と呼ばれる軟骨に障害が出たり、変形をきたすこともあります。関節の構造に問題が生じてくると、その進行度によっては、手術をしなければ痛みが改善しないこともあります。手術適応がある症例でも、理学療法で症状を改善することは可能な場合もありますが、多くの場合は早期から適切な理学療法を実施することで痛みは軽減し、さらに再発を予防することも可能です。あまり知られていないことかもしれませんが、以前にもブログにも書きましたが、理学療法は機能障害に対する唯一の治療法であり、訓練ではありません。適切な理学療法によって、症状が改善し、リハビリテート出来るのです。股関節の痛みに限らず、保存的な理学療法の適応範囲は、非常に大きいと思います。

私は今でも、国体の宮崎県選手団のトレーナーとして、毎年国体に帯同していますが、スポーツ選手の事例など、こうしたケースは枚挙に暇がありません。少しずつそうした事例も紹介していきたいと思います。

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