痛みの予防と運動

 痛みを予防する運動については、ネット上でもかなり多くの運動が紹介されています。どれもが、とても効果的であるように見えます。しかし、実際にその運動は、効果的なのでしょうか。よく「あの治療は私には合わない」といいます。その人に合う治療とは、どのようなものなのでしょうか。ネットで出ている情報は、あくまで多くの方にはこれで良いですよ、という内容で、ひとりひとりに合っているかどうかまでは保証しているわけではありません。紹介されている内容が、自分に合うかどうかは別の話です。

その人に合う治療とは

 痛みのある方が来られた場合、運動器を熟知している理学療法士が最初にすることは、重篤な疾患が隠れていないかを鑑別します。たとえば、がん性の痛みなのか感染性のものなのか、脳血管疾患や心疾患など重篤な疾患が隠れていないのかを鑑別します。当然のことながら、重篤な疾患が考えられる場合は医師に上申または紹介します。そうした問題が潜んでいる可能性が低いと判断したら、その方の痛みの原因となる運動機能を評価します。具体的には、まず痛みを訴えている場所にどのような組織が存在するのかを見ます。筋肉なのか神経なのか関節なのか、あるいは血管性なのか循環器系が関与しているのか、具体的に特定していきます。腰痛の場合は、そうした重篤な疾患を除くと、診断と症状が一致する人は15%で、それ以外の方は症状と診断が一致しない非特異的腰痛に分類されます。この場合、心理的社会的要因も含まれますし、一般的には予後良好な腰痛とされます。実際には原因がわからず、痛みと戦っている方がたくさんいらっしゃいます。この中に、交感神経活動異常の方や姿勢が問題となり、運動機能が低下している方など、運動器の機能異常を抱えている方がたくさんいらっしゃいます。運動器の理学療法士は、それらの原因を評価し突き止め、それらに対して適切な運動を指導する専門家です。したがって「合うか合わないか」ではなく、「その人に合う運動」を見つけ出すことが出来るのが理学療法士であるといえます。

心理的な問題と痛み

 痛みと心理的な問題は、科学的に証明されてきていることであり、これらは痛みの評価の中では無視することは出来ません。むしろ、この要因は多くの割合で存在していると思います。ただ、運動器の機能異常が心理的な問題に影響していることも多々あり、その割合はその人によって違ってくるので、適切な評価と運動療法や徒手療法により対応していくことが必要だと思います。いずれにしても、すべての痛みに完璧に対応出来る治療法は、世の中には存在しません。様々な可能性を考えながら、医師や理学療法士など専門家といっしょに痛みを管理し対応していくことが、痛みを早期に軽減し、予防していくためには重要なことだといえます。

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